2025年7月24日

大塚国際美術館④ 『私の“気になり絵画”ベスト10』

展示数は約1000点、撮影した画像はおよそ800枚(説明プレート部分含む)。 

今までみたいに紹介しようとしたら・・・たぶん1年かかります。


ということで今回は、無理やり選びました『私の“気になり絵画”ベスト10🎉✨』

『私ランキング』は実は鑑賞中からずっと頭の中にあったので、書いてみたかったんです。
しかし、気分で変わるので毎回迷いまくり、順位は入れ替わりまくり・・・ 
10枚に絞るのは本気で難しかったのですが、さっそくいってみましょう。

 
✝️第10位:《キリストの埋葬》カラヴァッジョ


左がイタリア館の本物 右が陶板画

イタリア館で本物を見てきたばかりですからね・・・

光の反射に差がありますね。
確かに陶板画はどうしても反射が目立つ物もありました。
しかし、この二枚の差は、イタリア館はバチカン美術館を再現するように、照明や展示方法に工夫していると言っていたので、むしろイタリア館の展示の方が群を抜いて素晴らしいのだと思われます。

気になっていましたが、やはり額縁は再現というわけではないのですね。


🐟第9位:《赤エイ》ジャン=バティスト=シメオン・シャルダン



静物画の傑作として知られている名画だそうですが、猫がいる絵画なのに存じあげませんでした。
静物画・・・とは言い難い雰囲気を感じます。

画家も作品もまったく知らなかったので今絶賛気になっています。



グッズも販売されていました。


🖼️第8位:アルブレヒト・デューラーの《自画像》


最近よく美術館へ行くので、美術史入門などを読んでいたのですが、
スペイン人やイタリア人の画家が多く、先日はオランダだし・・・
そういえば・・・ドイツの有名画家って誰かいたっけ?
と気になって、最近デューラーの名前を知った、まさに旬なお方です。


《四人の使徒》アルブレヒト・デューラー

デューラーの《四人の使徒》は個性が表現されていて良い絵だなぁと思っていたのですが、
この正面を向いた、ただただカッコイイ肖像画に衝撃を受けました。
どこかキリスト風じゃないですか?

いつまでも見つめあってしまう絵です。


🖼️第7位:《ナポレオンの戴冠式》ジャック=ルイ・ダヴィッド




縦約6.2m × 横約9.8mの超大作。
ルーヴル美術館で2番目に大きい絵画とのことで、やはりその大きさが圧巻でした!

実は、この絵がなぜ《ナポレオンの戴冠式》というのか不思議でしたが、
ナポレオンは教皇から冠を受け取らず、自らの手で自分の頭に冠を載せたそうです。
絵の中ではその場面は避けられ、ナポレオンが妻ジョゼフィーヌに冠を授ける瞬間が描かれているとのこと。
そりゃ訳わからんわ。

昨年本物を見てきたばかりの姉娘が、この絵が飾られている空間はルーブルの通りに再現されている・・・と言うのでフランスの気分に浸りながら一番長く鑑賞した絵かもしれません。


🍂第6位:《エデンの園》ヒュー・ゴールドウィン・リヴィエール




理由は分からないけれど、とても心惹かれる絵です。 

意味深なタイトルですが、ふたりは許されて“エデンの園”へ戻るところなのでしょうか。 
あるいは、今この瞬間こそが、ふたりにとっての“エデン”なのかもしれません。

ぱっと見、女性の雰囲気が『タイタニック』のローズのようにも見えて、 見るたびに物語が浮かんでくるような絵です。



こちらの絵は、ポストカードも購入しました。
こうしてみると、100円均一のこの額もピッタリですね。

おしゃれな部屋になった気分です・・・。


🍁第5位:《デルフトの小路》ヨハネス・フェルメール




この絵に描かれた街並みは、フェルメールの叔母が住んでいたとされるデルフトの一角だとされています。
フェルメールが描いた風景画はわずか2点しか現存しておらず、そのうちのひとつがこの《小路》。
もう一点の《デルフトの眺望》と並んで展示してありました。


《デルフトの眺望》ヨハネス・フェルメール

ゴッコ展の時もそうでしたが、その画家がどんな土地で暮らし、誰と交流し、どんな思いを抱えて筆をとったのか、そういう背景がわかる絵画に惹かれます。

フェルメールは一生のほとんどデルフトから出ることなく、半径数百メートルの世界を静かに見つめてあの作品を描き続けたという。
この《デルフトの小路》は、そんな彼が見た ふだんの光景。

そう思うと、不思議なことに、その小さな景色が、見る人の「心の原風景」に 触れてくる気がしませんか?

私のなかでは、祖母の家や家の裏の渓谷──自分だけが覚えている景色。
そんな記憶が、じわじわと心に浮かんできます。
もしかすると、フェルメールにとってこの《デルフトの小路》も、描かずにはいられない自分の“原風景”だったのかもしれませんね。



また、今年の3月18日に作品フェルメールの幻の名画《合奏》が展示されたばかりということで、フェルメールギャラリーを楽しみにしていましたが、「合奏」は別コーナーでの展示でした。

《合奏》ヨハネス・フェルメール

この絵の中のチェンバロの蓋には、風景画が描かれています。
先日、万博のオーストリア館で蓋に北斎の浮世絵が描かれたベーゼンドルファーのピアノを見て驚きましたが、当時から、楽器の蓋に絵を描くということは、けっこう普通に行われていたのでしょうか。


1990年、ボストンのガードナー美術館で、警官に扮した2人組の強盗が侵入し、13点の美術品が盗まれる事件が起きました。
その中に、フェルメールの《合奏》も含まれていました。
以来、この作品は行方不明のまま。
空になった額縁だけが、今も美術館に飾られています。




🚂第4位:《サン=ラザール駅》クロード・モネ




トイレで陶板を見て、誰の絵だろう?と気になった絵。

モネは日本でも大人気の画家なので、睡蓮以外の作品も目にする機会は多いのですが、駅の絵があるとは知らなかったです。
しかも12点以上もの連作なんですって。

そのうちの《構外の線路》は日本の「ポーラ美術館」所蔵だそうです。


ランキングには、真っ赤な着物と団扇が散りばめられた背景に目を奪われる《ラ・ジャポネーズ》も迷ったのですが、やはり駅の絵に。
汽車や船の絵って気配や物語性が漂ってるんですよね。



《ラ・ジャポネーズ》クロード・モネ

モデルはモネの妻・カミーユ。
華やかな一枚だけど、彼女はその数年後に病気で亡くなってしまったそうです



🐖第3位:《ネーデルランドのことわざ》ピーテル・ブリューゲル(父)




いやもう、ぱっとみておかしな絵なんです。
「え?何してるのこの人たち…!」と、目が釘付けになりました。

一枚の絵に、当時のオランダのことわざ100以上が詰め込まれているんだそうです。
なるほど・・・。


《バベルの塔》ピーテル・ブリューゲル(父)

あのバベルの塔で有名な「ブリューゲル」が何を描いているのかと驚きましたが、
よく考えると《バベルの塔》も・・・
「高すぎる理想には崩壊が待っている」とか、
「人が傲慢になりすぎると、言葉が通じなくなる」とか、
聖書の話だけれど、寓意や教訓が詰まっていて、通じるものがありますね。




「壁に頭をぶつける男」
頑固さや無謀な挑戦を風刺していて「頭で壁は壊せない」「無理なことにエネルギーを使っても意味がない」という教訓のようです。
いや、それにしても目を引きます。

ちょっと見切れていますがすぐそばの「樽の栓を抜く豚」は、
「注意を怠ると災いがやってくる」ということわざだそうです。



「青いマントをかける」
他人の欠点や過ちを見て見ぬふりをすること
なるほど・・・。


これはわかります。
「猫の首に鈴をつける」
“良いアイデアでも、実行するのはとても難しい”ということわざですね。
イソップ寓話「ネズミの相談」由来のことわざですが、ネーデルランドでも、日本でも通じるあたりがすごい!
人間がつけているあたりがまた別の意味もある様子。


こちらもイソップ由来ですね。
「キツネとツル」
互いに自分だけ得をしようとするずる賢い様子を書いたお話ですが、
もう、このカオスな絵画の中では平和な食事風景に見えますが・・・。



「手をつないだあざらし」
・・・を探してもどうしても見つからず・・・。

と思ったら、ウィキペディアにものすごく細かく載っていました。

これ、熊なんですって。
「熊の踊りを見る」>空腹である
「野生の熊は同類と共にいるのを好む」>類は友を呼ぶ
とのこと。

熊ねぇ・・・。

この絵。めっちゃおもしろい!!!


🌻第2位:《芦屋のひまわり》フィンセント・ファン・ゴッホ



え?これが1位じゃないの?って思う人も多いかもですね。

失われたものがこうやって目の当たりにできるのは不思議な感覚です。
ゴッホの黄色と青の組み合わせが「ひまわり」でも見られるなんて印象深いですね。



「ひまわり」の複製の表面はこんな感じです。
しかもこれが、触れるんですよね~。
すごいですよね~。



🌸第1位:《プリマヴェーラ》ボッティチェリ




小学生のころから、なぜか心惹かれてきた一枚。

たぶん、大好きな絵本、エロール・ル・カインの「おどる12人のおひめさま」と絵の雰囲気感が似ていると感じたからでしょうか。


 

《ヴィーナスの誕生》もいいのですが、先に描かれたと言われるこちらの方が好きなんですよね~。

今回、実物大で細部までじっくり見て、改めてやっぱりこれが印象深かったです。

春の訪れを神話的に表現した絵画です。
登場人物はギリシャ・ローマ神話の神々で、絵の中に同じ人物が二人描かれていたり、時の流れがあったり、読み解こうとするとなかなか難しいところですが、、、

今回、一位のおもな理由はまさかの「服がきれい~」です。

小さな印刷物で見ていたときも好きだったけど、高さ2メートル×横3メートル超の《プリマヴェーラ》見た時、細部の柄や布の表現が鮮やかで、思っていた以上に美しくて、ただただ感動しました。


🐕番外編:《ポメラニアン犬の親子》トマス・ゲインズバラ







かわいい、ロンにそっくり。
ということでこれはランキング外の特別枠でお願いします。😁


以上、『私の“気になり絵画”ベスト10』でした!!
わたしも気になる~!って作品ありましたでしょうか。

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