2026年10月17日

東京出張行くとこうなる記⑧ “カフェに集う芸術家”展 黒猫から4匹の猫へ

ラモン・カザス《マドレーヌ》


今回の“カフェに集う芸術家”展の看板にもなっている、ひと目で引き寄せられる一枚ですよね。
やはり、赤い服の強さと、この物憂げな表情が印象的です。


カフェで1人お酒を飲み、タバコをふかす女性。
この要素は、当時は女性の「自立」であると同時に「社会的な孤立・不安」を象徴していたという点が深いところです。

カフェを舞台にした印象的な女性像といえば、
アンニュイな雰囲気ドガの《カフェにて(アプサントを飲む人)》や、
同じような鏡が背景のマネの《フォリー=ベルジェールのバー》の思い浮かべますが、《マドレーヌ》はまさにそのマネ作品へのオマージュとのことで、そう言う流れがあるのかぁと思いました。

大塚国際美術館の
上《カフェにて(アプサントを飲む人)》
下《フォリー=ベルジェールのバー》


この絵を描いたラモン・カザスは、パリの〈シャ・ノワール〉(黒猫)に強く心を揺さぶられ、故郷バルセロナに〈クアトラ・ガッツ〉(4匹の猫)というカフェを開きます。


前の記事で紹介した黒猫のポスターの〈シャ・ノワール〉は、19世紀末モンマルトルの伝説的キャバレーです。

パリの「夜の世界」を象徴し、芸術家たちの熱が渦巻く発信地でした。







この店のすごいところは、自分たちで同名の週刊誌『シャ・ノワール』を発行し、店に集う芸術家の詩やイラストを次々と世に送り出していたこと。

ただのたまり場ではなく、メディアを持つことで、カフェの熱気や最先端の芸術を遠く離れた国まで届ける仕組みを作っていたのですね。

こうして、パリの夜に生まれた新しい芸術は、またたく間にヨーロッパ中へと広がっていきました。


この“カフェが文化を発信する”という仕組みに衝撃を受けたのが、ラモン・カザスでした。
彼は〈シャ・ノワール〉で見た世界を自分の街にも根づかせたいと考え、
バルセロナに〈クアトラ・ガッツ〉(4匹の猫)を立ち上げます。


そして、この新しい拠点に通い詰めていたのが、10代後半の若きピカソです。

彼はロートレックやカザスが描く“都会の孤独”に触れ、その視点を強く意識するようになります。
これが、後の“青の時代”へ向かう感性の土台になりました。

印象派が生み出した新しい視点が、ロートレックやカザスへと広がり、やがてピカソという天才の覚醒にまで結びついていく・・・そんな大きな物語の展示

・・・であったことには帰宅して図録を読んでから気が付きました。


現地では、へえ~すご~い、ピカソでてきた~。
ぐらいの感想でした。


パブロ・ピカソ 《座る若い男》


パブロ・ピカソ 《貧しき食事》


パブロ・ピカソ 《カンカン》


パブロ・ピカソ 《酒場の二人の女》


《通りの光景》の展示もありましたが撮影不可でした。



アメデオ・モディリアーニ
《青いブラウスの婦人像》

たしか・・・前々記事で書いた、「ひろしま美術館、今空っぽなんじゃないか」とつぶやいていた人が立ち止まっていたのは、この絵の前でした


最後の最後に風景画が並んだ素敵なエリアがありました。


モーリス・ユトリロ
《ムーラン・ド・ラ・ガレット》

モーリス・ユトリロ
《モンモランシーの通り》

モーリス・ユトリロ
《雪のラパン・アジル》


最近は人物にも惹かれるようになってきたのですが、
やっぱり画家が暮らした土地の風景画のほうにいちばん興味がわくんだよな、と改めて思いました。

あと、やっぱり額縁も。


グッズコーナーは品数が控えめかなと感じました。
お土産のクリアファイル数点と今回も図録を購入しました。
東京から帰るところなので本当は荷物を軽くしたかったのですが、結局いつものように図録はしっかり持ち帰ることになりました。
そのために今回はコロコロ付きで来ているので、大丈夫です。




グッズ売り場外にこんなガチャガチャがありました。
ロートレックの描いた動物や人物のリトグラフモチーフのアクリルキーホルダーです。



1回してみるつもりが止めれず、こんな感じです。


さて、今回の出張も盛りだくさんの観光が出来ました。

東京駅はすぐそこなので、ゆっくり帰り支度ができます。

先日来たばかりなのでグランスタも把握できたつもりだったのに、やっぱり途中で訳が分からなくなってしまいました。


次は12月にまた来る予定(未定)です。


2026年10月16日

東京出張行くとこうなる記⑦ “カフェに集う芸術家”展 夜の芸術家たち

第2章は「夜のカフェ―シェレ、ロートレックの世紀末」

実は今回の「“カフェ”に集う芸術家展」には予備知識なしで行ったので、あまり訳も分からず、順に展示を見ていたのですが、

第1章は明るい光のカフェのイメージでしたが、時代が進むと芸術の舞台は夜のモンマルトルへ移ってガラッと雰囲気が変わりました。


テオフィル・アレクサンドル・スタンラン
《シャ・ノワール巡業公演》

お馴染みのスタンランが描いた黒猫のポスターです。

伝説のキャバレー〈シャ・ノワール〉ですね。

ひとつの壁面をこのポスターだけで飾っていたほど、思っていたよりもかなり大きかったです。



いいなぁ、このブランケットモチーフ欲しいなぁと見ていました。

・・・第2章の話を始めたばかりですが、「CHAPTER3」て書かれてますね。

なんかね、この展示レポ、どう書いていいのか構成が難しくて、
まぁいいやぁ、見たかったものから載せちゃおうって書いてます。





本当は、第2章へのいざないは
ジュール・シュレが描いたイヴェット・ギルベールから始まっていました。
ロートレックとはまた違う、大人っぽい繊細な線で描かれていました。


テオフィル・アレクアンドル・スタンラン
《「イヴェット・ギルベール公演」アンバサドゥール》


イヴェット・ギルベールは、19世紀末のパリで人気だった
カフェ・コンセールのスター歌手。
ロートレックが好んで描いた、長い手袋がトレードマークの女性です。
歌と芝居を混ぜた独特のステージで、夜のパリの象徴的存在でした。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《アリスティド・ブリュアン》

ロートレックのコーナーでは、
ひろしま美術館所蔵の 《ポスターのための油彩習作》 が、豪華な額縁に収められていました。

ロートレックといえばどうしても「ポスター」の印象が先に立ちますが、
この肉筆の油彩画を前にすると、
あの華やかな広告の裏側に、こんな“しっかり描き込んだ原点”があったのかと驚かされます。


アリスティド・ブリュアンは、ロートレックの絵の中でもひときわクセが強くて、
見た瞬間に“人となり”が気になりました。

舞台では毒舌まじりの語りと、ちょっと乱暴なくらいの勢いで客を巻き込むタイプで、
“モンマルトルの顔”と呼ばれていたそうです。  

音源が残っているので、その歌声を聞くことが出来ます。

細かい知識がなくても、ロートレックが描いたブリュアンを見るだけで、
当時のパリで相当インパクトのある存在だったんだろうな、と自然に伝わってきました。



アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ディヴァン・ジャポネ》

客席側にスポットをあてた斬新な構図です。
ステージの主役は顔が見きれていますが、「黒い長手袋」だけでそれとわかるイヴェット・ギルベールがいますね。



アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ラ・ルヴュ・ブランシュ》

19世紀末のパリで絶大な影響力を持っていた
前衛的な文芸・芸術雑誌『ラ・ルヴュ・ブランシュ』の宣伝ポスター。

当時のパリ社交界のミューズ・ミシア・ナタンソンが「アイススケート」をしている優雅な姿をモチーフにしているそうですが、下半身が大胆にカットされていてもそれとわかりますね。



オーギュスト・ローデル
《夜会「流浪の芸術家」ムーラン・ルージュ》


ロートレックより少し前の時代に描かれた作品だそうです。
「赤い風車」もお嬢さんもレトロ感マシマシでかわいいですよね。



アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》



1889年に開店したムーラン・ルージュのために、1891年に作られたポスターでした。
この一枚でロートレックの名が一気に広まり、
商業ポスターの流れそのものを変えたと言われる代表作です。



フィンセント・ファン・ゴッホ
《モンマルトルの風車》



モンマルトルの丘でテオと暮らしていた頃、
ロートレックらと出会った時期のゴッホが描いた一枚です。
まだ筆致が明るくて、初期の健やかな感じがそのまま出ている作品ですね。


パリの夜を彩ったこの濃密な文化は、やがて国境を越えてある若い天才を刺激することになります。それは次回のお話…



「夜の世界にゃぁ」

2026年10月13日

東京出張行くとこうなる記⑥ “カフェに集う芸術家”展 三菱一号館美術館へ

さて、前回の記事で東京駅へ向かいますと書きましたので、「ああ帰るのね」と思われたかもしれませんが、いやいやここからが本番です。

せっかく東京へ行くので、関西へ巡回しない気になる美術展はないかと調べてみたところ、目に留まる文言がありました。

「“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで」



先日は「青いターバンの少女」の青に魅入りましたが、
今度は「赤い服の物憂げな女性」の赤ですよ。



しかも前から行ってみたかった「三菱一号館美術館」で開催されています。

三菱一号館美術館は、東京駅の丸の内南口から徒歩5分という抜群の立地で、日本のビジネスの中心地・丸の内にあります。

しかも、地下通路を使えば駅直結で、とても便利です。

行きは迷いませんでした。(帰りは迷いました、なぜか……)


東京駅のすぐそばにあって、ぱっと見は東京駅舎と見まごうようなたたずまいですよね。

さぞ古い建物かと思いきや、ここは2010年に復元再建された美術館なのだそうです。

もともとは1894(明治27)年、三菱が丸の内に建てた最初のオフィスビルで、設計は鹿鳴館などを手がけたイギリス人建築家ジョサイア・コンドルだそうです。

19世紀後半のイギリスで流行した「クイーン・アン・スタイル」というビクトリア朝の建築様式が取り入れられており、老朽化で1968年に一度解体されたものの、2010年にコンドルの原設計に沿って当時の姿へ忠実に再現されたのだとか。

予備知識なしで訪れましたが、内装がやけに綺麗だと感じたのも納得です。







この中庭の広がるゆったりした空間で、“カフェ”に集う芸術家の展示が行われるのは、ぴったりですね。



さあ行ってみましょう。








アルフレッド・シスレー
《サン=マメス》


今回の展覧会で、最初のエリアを爽やかに彩って、パッと目を引いたのが、
アルフレッド・シスレーの《サン=マメス》でした。

外観にぴったりのマントルピースが展示の一部になっています!
家の中に飾られる絵であるイマージがわきます。


第1章のエリアは「カフェを描く――リアリズムから印象派へ」というテーマ。

19世紀後半、当時のアカデミズムが重んじた歴史画や宗教画ではなく、身の回りの「現代生活」や「都市の風景」をありのままに描こうとした画家たちの作品が並んでいます。


ピエール=オーギュスト・ルノワール
《パリ、トリニテ広場》


ベルト・モリゾ
《黒いドレスの女性(観劇の前)》


エドゥアール・マネ
《バラ色のくつ(ベルト・モリゾ)》

あ!この二つの絵!

昨年の出張で国立西洋美術館の「オルセー展」を見たときに、
マネが描いた黒いドレスを着たモリゾの絵を見た後に、
モリゾが描いた黒いドレスの絵を見たので、
モリゾの絵が自画像かと勘違いして頭がバグった話。

前は別々の展示でしたが、
今回は、その二つの絵がそろって並んでいます。

これで言いたかったことは伝わりましたでしょうか?

ちなみに、マネの絵は《バラ色のくつ》なので、
本当は靴に注目すべきなのでしょうか・・・

前回の出張が気になった方は⇒こちら (記事が長いので終りの方です)



混乱するにゃん




エドガー・ドガ
《赤い服の踊り子》

ドガといえば白いチュチュのイメージが強かったのですが、この絵は「赤」とのこと。

しかし、赤いか?
画像でもそう思っていましたが、実物を目にしてもやはりそう思って見てしまいました。

でも存在感は抜群で、ひろしま美術館の宝のひとつなのは間違いない。

しかも今回は《バラ色のくつ》《パリ、トリニテ広場》、ピカソ《酒場の二人の女》などなど、
ひろしま美術館の“エース級”がごっそり東京に来ていました。

展示を見進めていくうちに、後半で
「ひろしま美術館、今空っぽなんじゃないか」とつぶやている人がいて、
あまりの至宝の出張ぶりに、本当にそうかもしれないと心配になりました…。


エドガー・ドガ
《右手で左足をつかむ踊り子》

向こう、今ほんまに静かかもね~




つぎいくよ~

2026年10月12日

東京出張行くとこうなる記⑤ 赤坂はクリスマスの気配

朝から北区の方へ散策に行ってきましたが、一旦赤坂まで戻ってきました 。

つい1カ月前に「ハリーポッターと呪いの子」を観に来たばかりなので、見知った景色ばかりではあるのですが……

先日の赤坂散策の話はこちらから⇩

赤坂でハリー・ポッターの世界へ まずはカフェとグッズから

赤坂でハリー・ポッターの世界へ『ハリー・ポッターと呪いの子』 




今回は、フォークスや、クリーチャーを見つけました。







前回のあとにハグリットの新作グッズが出ていたのを見て気になっていたのですが、
ハグリット=かぼちゃ=ハロウィンを通り越して、
店内のグッズはすでにクリスマスの雰囲気のものまで並んでいました。








かっわいくないですか!!


赤坂に到着した頃のショップはレジ待ちが建物の外まで伸びるほどの混雑で、
中には「上演に間に合わないので商品を戻したい」と言っている人までいて、つい先日、自分も同じように時間を気にしながら並んだ身なので、「ハラハラするよね~」とちょっと気になりました。

すぐに「呪いの子」の上演タイムに入り、店内は一気にガラガラになりましたので、私はゆっくり買い物ができました。

気になっていたことも聞いてみました。
シアター・カフェ・ショップはそれぞれ経営が別なので、
「呪いの子」終了後にショップがどうなるのかは現時点では未定とのことです。





今回は、どの服もかわいすぎて迷ったのですが、ほとんどは5,000円程度ですが、
ダイアゴン横丁のトレーナーは1万円近くしていて、結局買いませんでした。

前日に入荷したばかりとのことでしたが、やはり人気で、すぐに売り切れそうでした。





購入したのは、お土産を兼ねたこのお菓子と、ランダム商品です。




前回は、「ファンタスティック・ビーストコレクション」を買って、デミガイズが出ました。




ちなみにすでにシークレットのサンダーバードや、エンペルトとズーウーはいるので・・・

今回は、同じ“魔法生物のランダム商品”ではあるのですが、「ハリー・ポッター 魔法生物コレクション」を購入しました。


シークレットが気になった方は⇒こちら







クルックシャンクスがでました。

ちなみに、我が家にはこの子がすでに2体います。


ランダム商品を見ていると、
周りから楽しそうにキャラクターを確認している声が聞こえてきました。

ところが、魔法生物を順番に見ていく中で、時々「何これ〜」と戸惑う声が混じります。

「ハリーポッターと呪いの子」を観に来るくらいにはハリーポッターに興味があるはずの人たちが、
ピグミーパフを忘れているのはまだ分かるとしても、
クルックシャンクスを「何これ~?」と言っているのには……首をかしげます。


他にも、ピンズのランダムと・・・





前回も購入したけど、姉娘と英国へ飛んで行った、「へドウィグ」を再度購入してきました。

結局、杖は今回も買わずでした。


さて、ホテルに戻って荷物をピックアップして、東京駅へ向かいます。

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