ルネサンス期からバロック期へと時代が進むにつれ、作品の雰囲気もガラッと変化しました。
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《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》 フアン・サンチェス・コターン |
この絵は、難しいですね・・・。
物そのものは静かに佇んでいるだけなのに、作品全体に、こちらの思考を飲み込むような沈黙の圧がありました。
この絵の“どこ見る?どう見る?” 私は『整いすぎた緊張感』です。
フアン・サンチェス・コターンはこんな絵も描いています。
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《聖セバスティアヌス》 フアン・サンチェス・コターン
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こちらは小さな絵でした。
サンディエゴは元々スペイン領だったとのことで、スペイン画家の絵が多いです。
どこみるヒントは『メロンとキャベツ、さらに聖人画も描きました』とそえられていました。
確かに、このヒントがなければ、キャベツ描いた人と同じとは思わなかったかもです。
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《神の仔羊》 フランシスコ・デ・スルバラン |
あ、
スルバランだ、やっと知ってる画家がでてきた。
兵庫県立美術館で2017年10月3日~2018年1月14日の期間開催されていた「大エルミタージュ美術館展」で
「聖母マリア様の少女時代」を見たことがある!!
すっかり忘れていましたが、たまたま図録を見直したばかりだったので、気付きました。
あどけない表情の「聖母マリア様の少女時代」は印象に残る絵だったんですよね~。
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《洞窟で祈る聖フランチェスコ》 フランシスコ・デ・スルバラン
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《聖ヒエロニムス》 フランシスコ・デ・スルバラン |
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《聖母子と聖ヨハネ》 フランシスコ・デ・スルバラン |
どれも大きな絵で、どの表情にも引き込まれてしまいます。
《聖母子と聖ヨハネ》で右下の聖ヨハネが幼児キリストに差し出している鳥は、「ゴシキヒワ」と呼ばれる鳥で、キリストの受難を象徴する鳥としてしばしば描かれるそう。
驚いた幼児キリストの表情と達観した聖母の表情!
この絵たちの“どこ見る?どう見る?” 私は『スルバラン好きだわ~』です。
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《悔悛するマグダラのマリア》 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ |
まずは、絵が大きくて迫力がありましたが、柔らかな色合いが印象的で、綺麗な絵だなぁと見ていました。
カラヴァッジョ没後の1610年代から 1630年頃にかけて、劇的な明暗法のもと対象を写実主義的に描き出そうとするその画風を模倣することが、ローマをはじめナポリ、ユトレヒトなどで流行しました。
ここでは、カラヴァジズムと呼ばれたこの芸術運動を支えた画家たちの作品を見ていきましょう。
マントヴァ近郊生まれの画家バルトロメオ・マンフレーディ(1582-1622年)は、1610年代のローマにおけるカラヴァジズム絵画の確立の立役者でした。くキリスト捕縛>はカラヴァッジョの同主題作品に基づく一方、キリストとユダの哀愁漂う表情やその特徴的な構図などに画家の独自性が見いだせます。「マンフレーディ形式」と呼ばれる実物大の半身像を複数並べた横長の構図法は周囲の画家たちによって模倣され、カラヴァジズム絵画の典型となりました。
近年、ジュセペ・デ・リベーラ(1591-1652年)は1606年頃から約10年間ローマに滞在したことが確実視されており、のちにナポリ画壇を牽引するこのスペイン人画家とローマのカラヴァジズム運動の関係性にも注目が集まっています。
くスザンナと長老たち>は旧約聖書の物語に取材した作品です。制作地に関しては諸説あるものの、その激しい明暗効果とダイナミックな構図法に、ローマで興隆したカラヴァジズムの影響が如実に表れています。
一方<悔俊するマグダラのマリア>は、2001年にリベーラの初期作品としてサンディエゴ美術館に所蔵され、現在ではミラノで活躍した画家ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ(1574-1625年)の作と見なされています。画面から飛び出さんばかりのマグダラのマリアの肘や指の迫真的な表現は、カラヴァッジョやその追随者たちからの影響とも、ルーベンスの影響とも考えられます。
と言うパネル展示がありました。(画像では読めないと思うので転記です)
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《スザンナと長老たち》 ジュゼペ・デ・リベーラ |
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《キリスト捕縛》 バルトロメオ・マンフレーディ 国立西洋美術館
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確かにカラヴァッジョのような劇的な明暗法のもと対象を写実主義的に描き出す感じがでてる!!
《スザンナと長老たち》の構図が見るからにセクハラ的で物語が気になりました。
“入浴中のスザンナに対して、ふたりの長老が密かにのぞき見をし、言い寄る場面を描いた聖書由来の作品。彼女が拒絶すると、長老たちは彼女に罪をなすりつけようとしますが、最終的には知恵者ダニエルが真実を明らかにし、スザンナの潔白が証明されます。”
なるほど・・・最後に正義が勝つならまあいいか。
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《悔悛するマグダラのマリア》 ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ |
この絵はマリアの強い表情が際立っていてとても印象的でした。
初めて見るタイプのマグダラのマリアです。
バロック期の画家ですが、顔色にどこか印象派っぽさを感じました。
この絵たちの“どこ見る?どう見る?” 私は『そんなすごい人だったんだカラヴァッジョ』です。
バロック期の世界、もう少しだけ続きます。
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