2025年7月14日

どこ見る?どう見る?西洋絵画!③ バロック期[後編]

バロック期、思った以上に奥深かったので、続きます。 

前回だけでは触れきれなかった作品たち、カラヴァッジョの余韻を残しながら今回もゆるっと紹介していきます。


彩色木彫

スペインでは中世末期以来、彩色木彫が盛んに制作され、その伝統は 17世紀にも多くの宗教彫刻を生み出しました。ルネサンス以降大理石やブロンズによる無着彩像に転換したイタリアなどとは異なり、スペイン(およびその植民地)では木やテラコッタに着彩した彫刻が長らく好まれたのです。(パネル案内の抜粋)


《アルカラの聖ディエゴ》
ペドロ・デ・メナ



《幼児キリストの勝利》
フアン・デ・メサ


《アルカラの聖ディエゴ》は表情がリアルすぎ!
《幼児キリストの勝利》はキューピーだよね?

こう言う展示は珍しい気がして魅入ってしまいました。

《アルカラの聖ディエゴ》は15世紀の聖人ディエゴが、貧しい人々にパンを分け与えていたことを咎められた際、隠し持っていたパンが奇跡的に薔薇の花に変わった――という逸話のシーンだそうです。
実際に国立西洋美術館で展示されていた《アルカラの聖ディエゴ》の足元には、薔薇の造花が添えられていたそうです。

日本の仏像なども元は彩色されていても、今は剥落したり修復されていますが、この色の残り方の差はなんなんでしょう。
バロック期はの日本で言うと江戸時代初期から中期頃だそうです。
日本で有名と言えば左甚五郎の「眠り猫」などでしょうか。


この彩色木彫の“どこ見る?どう見る?” 私は『何を塗ったの?』でした。


《永遠(教皇権の継承)の寓意》
ペーテル・パウル・ルーベンス

やっぱり、ルーベンスの作品がでてくると、魅入ってしまいますよね!!

らららん らららん ♪  一番最初に摺りこまれた西洋画家かもしれない。



《聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ》
ピーテル・パウル・ルーベンス



あ、こんなところに羊がいる。
やっぱり、この絵に羊が意味するものとかが知りたかったんだけどなぁ・・・。

どこみるヒントはこちら


この大きな絵は、ルーベンスの工房で製作されており、それぞれの顔などは別人が担当していたりするそうなのですが、さすがですねぇ、一体感があって違いなんて分かりませんでした。

スルバランの《聖母子と聖ヨハネ》の絵でヨハネと言えばたびたび受難の象徴「ゴシキヒワ」が登場すると習ったので、この何も持っていないヨハネの場合はきっとその「羊」が暗示していると思われる・・・。

この絵の“どこ見る?どう見る?” 私は『受難の象徴を探せ』です。



《花環の中の聖家族》
ダニエル・セーヘルス+エラスムス・クエリヌス

分業と言えばこちらは、花、人物・それぞれの得意な画家が分業して一つの作品を仕上げているそうです。
こう言った絵も珍しかったです。





《花卉》
ラーヘル・ライス


写真可だと何がうれしいかって!
額が記録できることなんです!
絵って額込みだと思いませんか?!





この額、べっ甲じゃないでしょうかね?!
絵の雰囲気ともあいますし豪華ですね~。



《座る女性のいる室内》
ヤコーブス・フレル

この絵は、奥の部屋にもうひと部屋寝室を思わせる空間と女性が描かれていたことが分かったそうです。
なぜ塗りつぶしたのか・・・。
絵から“物語の気配”を消して空間の静けさを強調した可能性もあります。
この手法は、後世のフェルメールの静謐な室内構図にも影響を与えた可能性があると考察されているようです。

この絵の“どこ見る?どう見る?” 私は『なに見てる?』です。


紹介しきれない作品たちも置いておきます。


《果物籠と猟鳥のある静物》
フアン・バン・デル・アメン
国立西洋美術館

《悔悛する聖ペテロ》
エル・グレコ

エル・グレコだ!!
衣の色が印象的な絵ですね。


《聖バルトロマイ》
ジュゼペ・デ・リベーラ

《トロイアから逃れるアエネアスとその父》
シモン・ヴーエ

《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
グエルチーノ
国立西洋美術館

《ゴリアテの首を持つダヴィデ》
アントニオ・デ・ベリス

ホントにゴリアテの首を持つエピソード好きですよね~。


《イサーク・アブラハムスゾーン・マッサの肖像》
フランス・ハルス

《少女の肖像》
ニコラース・マース

《滝のある森の風景》
ヤーコプ・ファン・ロイスダール


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