2025年12月25日

出張という名の東京観光記⑦ 「マチュピチュ展」へ行ってきた 〜たどり着くまでと宇宙観のはじまり〜

 

 CREVIA マチュピチュ展は、2021年のアメリカ開催を皮切りに世界を巡回し、累計54万人以上を動員した国際的な展覧会です。

会場には、ペルー・リマの名門「ラルコ博物館」が所蔵する約130点もの文化財が集結。日本初公開の品も多く、なかでも王族の墓から出土した黄金装飾品や、神殿儀式で使われた祭具は “初めてペルー国外に貸し出された” 超貴重な展示品だそうです。

そんな展覧会が、六本木ヒルズの 森アーツセンターギャラリー で
2025年11月22日〜2026年3月1日 まで開催されています。


🔋 低バッテリーのまま上野で迷子 → 六本木へ

東京出張のついでに「マチュピチュ展」を見に行くことにしたのですが、
モバイルバッテリーを持って来なかったために、スマホのバッテリーが残り52%。
節約していたら上野で軽く迷子になった話は前回したのですが・・・。

まずは展覧会よりも、
「低バッテリーの私が六本木ヒルズの森美術館にたどり着けるのか…!」
という、前置きが長い、今までの“東京観光記”の流れのまま、書いて行きます。

しかも、特に大きなハプニングがあったわけでもなく、
ただただ私が一人で右往左往しているだけの話なのですが、よければお付き合いください。

※本当はこの記事ひとつで「出張という名の東京観光記編」完了の予定だったのですが、写真が多くなりましたので、記事を分けます。

ちなみに、私はこの時点で、“マチュピチュ展は森美術館で開催されている”と完全に思い込んでいました。(実は違うのですが…)

行き方については、「日比谷線「六本木駅」から森美術館/東京シティビュー/森アーツセンターギャラリーへの行き方」のページで予習してきました。

この案内では、出口は 1C と書かれていたのですが、上野駅で乗換案内を検索すると、なぜか 3番出口 を案内されました。

「まあ六本木ヒルズは目立つはずだし、なんとかなるやろう…」
と思いつつ、まずは 充電できるカフェ探しが最優先です。


こちらは帰りに撮ったC1出口からのエスカレーター
登るとすぐにクモの彫刻の場所なのでやはりC1の方が迷いません

ペルー料理で盛り上がる予定が…バッテリーが許さない

本当は一駅手前の神谷町で降りて、ペルー料理店「ALDO」でせっかくなので“セビーチェ”を食べてテンションを上げてから行けたらいいなぁと思っていました。

実はペルーは美食の国と言われているんだそうです。
でも残52%では冒険はできません。

半信半疑で向かった3番出口で、ちょうどマクドナルド🍔 を見つけました!!

ああ、マクドナルド最高!!

ランチを食べている間に 98%まで復活。
生き返りました。

・・・いや、充電ケーブルはあるので最悪はどこかで充電すればいいやぁ、と思っていたのは予定通りなんですよ(笑)

今回の東京出張は、久しぶりの“完全ひとり行動”。
普段は娘に頼って、“勘と時々財布担当”の私は、「東京でひとり」と言うだけで不安です。 

地上に出ると、巨大な六本木ヒルズがドーンと見えて安心感が戻ってきます。



この建物目指して、歩いていくと、目印の🕷️巨大なクモの彫刻もすぐに発見。




後はまっすぐ進んで、別記事でちょこっと書いた🎄クリスマスマーケットを覗いて・・・

予習していた「美術館の入口」へ向かいます。

※クリスマスマーケットの記事は⇒


🖼️看板の名前が全部違う問題

ここでまた不安がぶり返します。

周囲の看板には

・森美術館

・森ミュージアム

・森アーツセンターギャラリー

など、違う名前が混在して表示されています。

この微妙な差にビクビクしながら進みますが、


関西で言うなら、
「あべのハルカス美術館 × 近鉄百貨店の展示スペース」
みたいな関係性なのかな…と思うことにして進みます。


いや、やはり不安なのでチケットを調べてみると開催場所は「森アーツセンターギャラリー」としっかりと書かれていました。

どうやら「森美術館」と「森アーツセンターギャラリー」は“同じ建物内の二枚看板”らしいのです。

関西では京セラ美術館が「本館」+「東山キューブ」でそれっぽい気もしますが、

とにかく「森美術館」を目指して行けば、中で階層が違うだけなので結果的には無事にたどり着くことができました。


🎫 いよいよ受付へ

私の予約は15:00の時間指定です。

実際に行った方の投稿では「20分前から受付開始」とのことでしたが、私はちょうど14:40頃に受付へ着いたので何時から受付開始であったのかは不明です。

「美術館」は52・53階ですが、受付は3階です。

六本木ヒルズの建物にそのまま入るのではなく、専用の入口がある別棟から3階へつながる構造 になっていて、初めて訪れると少し戸惑うかもしれません。

実際に戸惑っている雰囲気の人もいました。


今回の展示は撮影はOKですが、

「特殊な展示のため服やカメラなどが展示物に当たらないように」との注意がありました。

この日は、ガラスに密着して撮影している人も見かけましたが、
別の日には「服が少し触れそうになっただけで注意された」という声も。
なにせ“国外初公開・世界初公開を含む超貴重な本物”ですから、気をつけて鑑賞しましょう。



🏛️ようやく本題(笑)、マチュピチュ展の世界へ


さあ、やっとここから「マチュピチュ展」の話です。

前回も書きましたが、「マチュピチュ展」に行きたい!と思ったのは、万博の「ペルー館」にて「モチェ文化」を見て、面白すぎて興味を持ったのがきっかけです。

※万博のペルー館の様子は⇒こちら

今回のタイトルは「マチュピチュ展」ですが、内容はほぼ 「モチェ展」、
私としては大・大・大満足ですが、「マチュピチュ」だと思ってきた来場者の中には、最後に「マチュピチュはこれだけ??」と戸惑っている人もいました。


チャットちゃんに作ってもらった地図
ちょっと違うがこれが限界の様子

モチェ文化とマチュピチュは、時代も場所もまったく別物 です。

・モチェ → 1〜8世紀、ペルー北部の海岸地帯
・マチュピチュ → 15世紀、インカ帝国の山岳都市

ただ、ペルーの文明は海岸の古い文化 → 高地のインカへと積み重なっていく流れ があるので、モチェを知ると、インカ文化の“背景”が分かる、という関係性・・・なのか・・・。

いや、これはもうはっきりと、「モチェ展」では知名度が弱すぎるからですよね。 







まずイントロシアターで巨大スクリーンにはアンデスの大自然と天空都市マチュピチュが映し出されます。
まさに万博の「ペルー館」を思い出すような映像でした。
(注:画像は別箇所の映像のものです。係りの方の“映像は~”の肝心な部分が聞き取れませんでしたので禁止かな?と思い撮影していません。イメージだけお伝えです。)



アンデスの宇宙観


アンデスの人々が信じていた
天空〈ハナン・パチャ〉・現実世界〈カイ・パチャ〉・地下〈ウカ・パチャ〉の“三層世界”と、
鳥・ジャガー・ヘビといった動物の力を象徴に、異界とつながるシャーマン(霊的な媒介者)の存在に迫る展示エリアです。




「階段状のピラミッド型神殿」紀元後100-800年 ラルコ博物館


アンデスでは、階段は単なる“上り下りのための構造”ではなく、宗教・儀式・世界観そのものを象徴する重要な要素 でした。

奥の土器は、螺旋で鳥たちと光を表して、階段や対照的な色彩で「つながりの象徴」を表現しています。


「渦巻き文様の耳飾り」紀元後100-800年 ラルコ博物館

最初の耳飾りの展示です。
渦巻きは「自然の循環」を表す大事なシンボルでした。

階段も螺旋も、なんとなくイメージはわかります。
どちらも“上へ向かう力”と“めぐり続ける力”を象徴していて、
アンデスの人たちが世界をどう捉えていたのかが、形そのものに表れているようでした。


「二元性」紀元後100-800年 ラルコ博物館

モチェの埋葬用土器。外側から注いだ液体が内部へ流れ込む構造になっていて、
“天上世界(上)と地下世界(下)がつながる”という世界観を表しているとのこと。

シンプルな色・形に見えて、相反しながら補完しあう二つの世界を表現しているというイメージが分かりやすく、芸術感覚も高いんだなぁと思いました。



ところが、冒頭から、いきなり刺激強めで・・・。

モチェ文化には、生と死・地上と地下・男性性と女性性 といった
“二つの力の循環” を象徴する造形が多くあります。



え?そっちがそっちを隠す?? あらそうなの?

この子たちはちょっと幼い雰囲気があるので、普通に“かわいく”見えてしまいます。



「勃起した地下世界の住人」と「出産または性交の体勢をとる女性」
紀元後100-800年 ラルコ博物館




勃起した地下世界の住人って!!

説明では“液体がどう流れるか”を細かく語っていましたが、ざっくりまとめると・・・
地下世界の存在は 大地を肥やす力 を、
女性像は命を受け止め、また生み出す力 を表しているそうです。

日本にも豊穣や命の力を象徴する神体はありますが、モチェの“地下世界の住人”はやっぱりインパクトが強すぎます。

本当に面白い、モチェ文化!



「神話上の動物を表現した彫刻」紀元後100-800年 ラルコ博物館

「アンデスのドラゴン」と呼ばれる神話の生き物は、なんと4,000年以上前の図像にも描かれているそうです。

4,000年以上前=日本では縄文人が火炎土器を作っていた頃ですね。

ドラゴンと言うよりは、「狛犬」に見えてしまいますが、アンデスの3つの世界すべてとつながっている存在とのこと。

やっぱり、かわいいモチェ文化!
黒いので、カッコよさもありますね!!




「ネコ科動物」モチェ文化 紀元後100-800年 ラルコ博物館 

アンデスやアマゾンで“地上最強の捕食者”とされるジャガーやピューマは、しばしば土器の意匠として表されます。これらは、地上の指導者が異なる世界とつながる力を象徴しているのだそうです。


「ヘビ」クビスニケ文化 紀元前1250-100年 ラルコ博物館 


「ネコ科動物」リマ文化 西暦200-700年 ラルコ博物館
 

「フクロウ」モチェ文化 西暦100-800年 ラルコ博物館

ハチドリのピンは「ナスカ文化」なので、このケースの中に、
古いものはクビスニケ文化から、モチェ、リマ、ナスカまでの、さまざまな動物モチーフがずらりと並んでいます。

見た目のかわいさ😊だけじゃなく、アンデスの人々にとっては“宇宙観を支える大切な象徴”だったということを知って、見え方が一気に変わります。





ビルー文化(紀元前500年〜西暦300年)には、ネコ科動物・鳥・ヘビが融合したような不思議な造形が登場します。

真ん中はモチェ文化の「フクロウの神」です。



なんだか・・・日本にもこんなんありませんでしたか??




背面には、こんなに大きな水晶もありました。 

「水晶のしずく型首飾り」紀元前1250 -100年 ラルコ博物館

でっか!!


「シャーマンの変容」紀元前1250 -100年 ラルコ博物館

古代アンデスでは、シャーマンは天上界・地上界・地下界を行き来できる特別な存在と考えられていました。
この作品は、シャーマンが動物の力を借りて姿を変える“変容”の瞬間を表したもの。
異界と交流する力を象徴する、アンデス世界観の核心に触れる造形です。



「パコパンパの女神」紀元前13世紀半 -紀元後1世紀 ラルコ博物館


ペルー北部の山岳地帯パコパンパで見つかった石像で、アンデス形成期を代表する神像です。
鳥(天上界)、ネコ科動物(地上界)、ヘビ(地下界)という三つの世界の象徴をひとつの姿に融合させた、力強い“女神”の造形が特徴。
口からは蜘蛛の巣のようなものが流れ出ており、異界とつながる霊的な力を表していると考えられています。

蜘蛛の巣吐き出す女神って・・・😮
糸を吐き出す女性は、たまにゲームにいますよね・・・。
「蜘蛛ですが、なにか?」もでしたっけ。
ギリシャ神話のアラクネーでしたっけ?

少し共通する要素もありそうですが、しかし、 パコパンパの女神のほうが、アラクネーより1000年以上古い可能性が高いようです。




さて、これでやっと、入り口の一部屋見終わりました。

「モチェの英雄アイ・アパエックの冒険」へと続きます。

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