演目は、お能が「二人静」と「土蜘蛛」 狂言が「佐渡狐」です。
薪に火も入っていよいよです。
「二人静」
都を追われた義経に吉野山で置き去りにされた静御前、その後捕らえられ鎌倉に軟禁されてしまいます。お腹の子は殺され悲観にくれていたところ、憎き頼朝より舞が見たいという所望がありました。全てを失い敵に囲まれながらも、「しづやしづ しづのをだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな」(幸せだった昔に戻りたい)と義経への想いを歌ったのです。
物語はここから・・・
吉野山の神職に頼まれて若菜を摘んでいた菜摘女の前に静御前の霊が現れて、供養を頼みます。
吉野の勝手神社の蔵には生前納めていた静御前の舞装束がありました。
その衣装を着て菜摘女が舞うと、同じ衣装を着た静御前も姿を現します。
静御前は雪の吉野山で義経と別れた時のことを思い出しながら菜摘女と一緒に舞うという幻想的な内容です。
白拍子は「白拍子研究所」にて今も研究・再現されているのですが、
北野天満宮 春の曲水の宴 白拍子の舞 |
画像は、2019年3月に北野天満宮で 春の曲水の宴にて白拍子の舞を見たものです。
敵中でも歌に込めて一矢報いる凛とした静御前のイメージがわきますよね。
二人静は2人の演者のシンクロが見どころなのですが、”成田美奈子”氏の「花よりも花の如く」にて、能面からはほぼ視界がなく、チラッと見える柱の位置などを頼りに動いていて大変なのだと言っていたので、これかこれか・・・と見ていました。
今回は小書きに「立出之一声」とありまして、ツレがシテに代わり、序之舞は菜摘の女ひとりで舞う、特殊演出とのことです。
薪能の効果も相まって、途中で現れる静御前は霊さながら・・・。
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